スローガン
いま、この瞬間が未来を創る
~自身の成長が社会を変える~
基本理念
より良い変化が織りなす誰もが夢を描ける由利本荘にかほの創造
基本方針
1.希望をもたらす変革の起点となるリーダーの養成
2.地域に新たな価値を創出し共感の輪を生み出す運動の展開
3.郷土を愛する豊かな心をもったグローバル人財の育成
4.組織のブランディングと理念共感型会員拡大の推進
5.輝く個性が調和するやさしさに溢れる秋田ブロック大会の主管
理事長所信
はじめに
この地域を「明るい豊かな社会」とすべく1972年に志高き青年たちによって創立された由利本荘青年会議所は、昨年創立50周年を迎えました。これもひとえに、昭和、平成、令和と弛むことなく青年会議所運動を続け、歴史を刻んでこられた歴代理事長をはじめとする先輩諸氏のご尽力と関係諸団体並びに地域の皆様からの我々の運動に対する深いご理解とご協力によるものと、心より感謝申し上げます。
50周年という節目に、地域の皆様へ感謝の意を表し、この地域の明るい未来の実現に向けた決意を表明するとともに、50年に渡る運動の成果を地域に還元するために、創立50周年記念式典並びに記念事業の開催を目指し、現役会員が一丸となり準備を進めて参りました。残念ながら新型コロナウイルス感染拡大により中止となりましたが、開催に向けた努力は決して無駄になることはなく、これもまた修練と前を向き、50周年記念誌を発刊し、皆様へ感謝の気持ちを表するとともに、先輩諸氏が築きあげた青史を継承し、由利本荘青年会議所と地域の希望ある未来の実現に向け、果敢に挑戦していくことを誓いました。そして、我々は新たな歴史の創造に向けた一歩を踏み出します。
2年に渡る新型コロナウイルスの蔓延は、地域経済に大きなダメージを与えるとともに、社会の様々な場面において分断をもたらしています。しかし、この様な状況だからこそ、前を向き、夢を語り、未来に向かって進まなければなりません。70年前、戦後の荒廃した国土の再建に、激しい使命感をもって立ち上がった青年たち、そして50年前、勇気をもって社会の良心となり、地域の開発と経済の発展を誓った青年たちの青史と志を継承するとともに、その責任の重さを自覚し、社会基盤の衰退や地域経済の縮小によって分断してしまった社会や人をもう一度つなぎ、多くの人が希望をもって歩みを進める由利本荘にかほ地域を創造します。
希望をもたらす変革の起点となるリーダーの養成
青年会議所の使命であるJCI Missionには、「青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」と記されています。より良い変化をもたらす力というのは運動を作る力のことであり、その力を青年に与えるために、発展と成長の機会を提供することがJCの使命です。JC会員は、自分以外の誰かのために、社会や地域のために行動するという使命感をもっています。社会と地域の発展を願う青年が、社会に希望をもたらす変革の起点として、地域を牽引するリーダーとなるために、JCの理念や志の理解、事業構築や議案作成の方法、様々なカウンターパートとの連携や他を巻き込むコミュニケーション能力などを学ぶ機会を由利本荘青年会議所はもちろん、秋田ブロック協議会や東北地区協議会、日本青年会議所と連携し、共通プラットフォームやJCプログラムを活用することで、社会の課題を捉え、解決する力を養います。そして、養われた力を活かす先が自らの地域であることを意識して運動が展開できるよう、由利本荘市総合計画「新創造ビジョン」と第2期にかほ市まち・ひと・しごと創生総合戦略について理解し、我々独自のまちの中期ビジョン策定に向けた調査と検討を行うことで、持続可能なまちづくりを推進します。また、由利本荘青年会議所は東北地区協議会並びに秋田ブロック協議会へ出向者を輩出しています。県内外における出会いと経験は、出向者自身の成長のみにとどまらず、由利本荘青年会議所、ひいては地域に多くのより良い変化をもたらしてくれるものと思います。
地域に新たな価値を創出し共感の輪を生み出す運動の展開
由利本荘にかほ地域には多くの素晴らしい資源が存在しており、由利本荘青年会議所も資源を活かした様々な運動や事業を展開していますが、51年目という新たな一歩を踏み出す本年は、これまでとは違った視点から、豊かな自然や美しい街並み、住み暮らす人々の温もりといった資源をもとに新たな価値と魅力を地域に創出する事業として本荘マラソンを開催します。スポーツには、相互理解を促進する触れ合いや多様性を重んじる包括性が溢れており、参加する喜びを通じて社会や地域への愛着を高める効果もあります。地域の皆様が参加できる人と豊かな自然をつなぐ本荘マラソンを開催し、地域や人の新たな一面に触れることで、地域に新たな価値を生み出すとともに、人々の豊かな心と健やかな体づくりを推進します。
由利本荘青年会議所は節目ごとに新たな挑戦に挑んで来ました。先輩諸氏がその時代時代の理事長のリーダーシップのもと多くの価値ある運動を展開されてきましたが、その中でも1986年に創立15周年を記念して開催された菖蒲カーニバルは、新型コロナウイルス感染拡大による中止や開催方法の変更を経ながらも、これまでに35回開催され、由利本荘にかほ地域の夏の風物詩として地域の皆様に愛されてきました。人々が活き活きと躍動するまちづくりに向け、あらゆるカウンターパートとの連携のもと、菖蒲カーニバルを開催し、天と地に両輪の花を咲かせ、地域に交流とにぎわいを創出し、共感の輪と笑顔を生み出します。
郷土を愛する豊かな心をもったグローバル人財の育成
由利本荘にかほ地域の持続的な発展には、愛する故郷で住み暮らしコミュニティを支え、まちづくりを牽引する人財の存在は欠かせません。由利本荘青年会議所も、社会と地域の希望である青少年が、将来、地域の担い手として活躍する上で必要不可欠である郷土愛を醸成するために、自然や歴史、産業といった地域の教育資源を活用した運動を展開してきました。郷土とその未来に対し、主体的、能動的に関わる郷土を愛する心をもった青少年を育むために、郷土に対し愛着や誇りが抱ける運動を引き続き展開し、郷土を大切にし、より良くしようという心を醸成します。
1981年、創立10周年を記念して姉妹JC締結を結んだ韓国JCI梁山との交流は本年で41年を迎えます。現在、日本と韓国における両国間の姉妹JCの締結数は96にも及び、2006年には、JCI世界会議ソウル大会において、両国相互のメンバーが、真の平和構築に向け永久に協働していくことを誓った「日韓平和推進共同宣言」が表明されるなど、両国のJC間で様々な運動が展開されていますが、我々とJCI梁山の交流はその先駆けであると言っても過言ではないと思います。世界的な競争と共生が進む現代において、多様性と包括性に溢れるグローバルな人財を育成するために、これまで先輩諸氏が築き上げてこられた友情の歴史を享受し、未来に向けた交流を推進することで、異なる言語や文化、価値観を乗り越えた関係が構築できるコミュニケーション能力と協調性を高めます。
組織のブランディングと理念共感型会員拡大の推進
私は日頃から、JCの活動や運動には誇れるものがあるものの、それがあまり世間に認知されていないのではないか、社会により良い変化をもたらすために運動を行っているにもかかわらず、その内容が上手く伝わらなければ運動の効果が弱くなってしまうのではないかと考えていました。また、より効果的な運動を展開していく上では、様々なカウンターパートとの連携が不可欠ですが、我々がどのような組織であるのかが明確に理解されていないとスムーズな連携の妨げとなる可能性もあります。我々の活動や運動を積極的かつ戦略的に発信し、組織の価値を広め、多くの人々の理解と共感を得ることで、より社会に必要とされる組織へと進化します。
全国における青年会議所の会員数は過去10年間で約19%減少し、会員数が29名以下の青年会議所の数は398と約60%を占めています。また、平均在籍年数も4年と短期化し、20代や女性の会員が増えていないという問題もあります。最盛期には100名ほどの会員が所属していた由利本荘青年会議所も、ここ数年は20名前後の会員数を行き来しています。地域や子供たちの未来について真剣に考え、一生懸命に行動する若者が数多く存在すれば、そのまちの未来は明るいものとなります。青年会議所の使命である地域の青年に発展と成長の機会を提供し、運動を最大化するためには、我々の理念に共感する、前向きな若き人財の獲得は必須です。そこで、会員拡大室を設置し、社会との様々な関りを通じてJCの魅力や価値を発信するとともに、会員候補者の情報収集と候補者に対する積極的なアプローチを行い、理念の共感による拡大を推し進めることで、多様な人財を獲得し、組織基盤を強固なものとします。
輝く個性が調和するやさしさに溢れる秋田ブロック大会の主管
本年で52回を迎える秋田ブロック大会が、由利本荘にかほの地で開催されます。主管青年会議所としての開催に至るまでの経験は、我々に大きな成長の機会を与えてくれることと思います。輝く個性が調和する未来を描きやさしさに溢れる秋田の創造に向け、秋田ブロック協議会と主管青年会議所としての責任を自覚し、おもてなしの心に満ちた由利本荘青年会議所会員による強固な協力関係と緊密な連携のもと、秋田ブロック大会を開催し、秋田ブロックの運動を最大限に発信するとともに、地域益を生み出すことで、我々をはじめとするブロック内すべての会員の成長と地域の発展につなげます。
結びに
地域貢献という言葉の意味や大切さについては多くの方が理解し、また実践していることと思います。私自身、由利本荘青年会議所への入会申込書の入会動機欄にも、地域へ貢献するためと書きましたが、自分に何ができるのか、何をすればいいのかは分かっていませんでした。しかし、青年会議所の仲間と過ごすことで、青年会議所における地域貢献とは、自らがトレーニングを積み、成長することで地域や社会へサービスすることであり、そのトレーニングとサービスを支えるためにフレンドシップがあるということ、そしてそれが自身や生業のためではなく、純粋に他の誰かのためであるということに気づき、人が人を磨く青年会議所という場の尊さと可能性を知りました。
40歳までという限られた時間の中で、自分のためではなく、自分以外の誰かのために、仲間とともに全力で行動するからこそ、その活動や運動はかけがえのないものとなり、社会により良い変化をもたらすのだと思います。自分以外の誰かを想い、まちをより良くすることは簡単ではありません。時には失敗することもあるかもしれません。しかし、JCは失敗してもいいのです。失敗から学び、それを自身の成長につなげることができるのもJCです。
光り輝く未来を創り上げるのは、いまです。いま、この瞬間が未来を創ります。いまと真摯に向き合い、失敗を恐れず果敢に挑戦し、発展と成長の機会を掴み取った我々が、誰もが夢を描ける由利本荘にかほ地域を創造します。
2022年度 第51代 理事長
大越 雄一郎